秋元 まどか(2014/8~2016/7)

昨年の8月に入塾した秋元まどかと申します。埼玉県熊谷市出身です。

農業をやろうと思った理由は、一言で言えば「好きだから」です。小さいころから外で遊ぶのが大好きで、泥団子を作ったり、虫を捕まえたり…植物と、生物との触れ合いが好きでした。祖父が自家用にお米や野菜を作っていたので、田畑が身近にありました。その頃の影響が大きいと思います。農業に興味はありましたが、同年代で農業をやりたいという人なんてどこにもいない、農業は衰退している産業、年配の人がやるもの、農家は家業を継ぐもの、食べていくのは難しい、という印象をうえつけられていたため、進路を決めるとき、そこに踏み出そうとは思いませんでした。室内での仕事は絶対にできない、外で体を動かす仕事がしたいと思い、横浜の造園会社に就職し4年間勤めました。造園会社では主に営業、監督をしました。営業なんて一番向いていないと思っていましたが、やってみると意外と楽しく、最初は失敗して怒られてばかりでしたが、経験を重ねるごとにとてもやりがいを感じて仕事をしていました。しかし、やりたかった植木の剪定作業は協力会社に依頼するようになったのでほとんどやらせてもらえませんでした。また、勤務時間が長く、家では寝るだけの生活、食事を作る余裕などなく、ファーストフード店、コンビニ等で3食済ませていました。そうしたことからのストレスもあり、ずっとここにいていいのか、一生続けたいと思う仕事ではないと思うようになりました。そんな時、友人に誘われ新農業人フェアという新規就農したい人向けのイベントに参加し、帰農志塾に出会いました。たくさん受け入れ先がありましたが、帰農志塾は、有畜複合で有機野菜を約80種類も作っていることを知り、大変そうだけど一番学べそうだなと思いました。また、イベントに来ていた塾生の吾郷さんと、昨年卒塾した綿部さんの話を聞いて、夢をもって、一生懸命取り組んでいるのがすごく伝わってきました。その時に、漠然と農業したいと思っていた気持ちが、具体的に将来農業をやっている姿が想像できたので、決心しました。

入塾してみて、塾でちゃんとやっていけるか、体力的なところが特に不安でしたが、同じ女性の寺門さんはバリバリ働いているし、外で身体を動かして仕事をするのはとても気持ちがいいです。何よりおなかをすかせた状態でおいしいご飯が毎日食べられることが幸せです。入塾してすぐに鶏舎の担当になり、配送は烏山担当になりました。失敗して反省することも多いですが、慣れてきたら自分で提案し行動していけるようになりたいです。

好きで始めた農業ですが、塾にいると食に関心を持っている人ばかり集まるので、色々なお話が聞く機会が多いです。食べ物が今の自分を作っているという食の大切さに改めて気づかされます。将来は以前の自分のように、仕事が忙しくて外食ばかりの人、健康な食事をすることの大切さに気付いていない人にも、おいしい野菜を作ることによって伝えたいと思います。